料理人 Bois vert 川口シェフのサボ
 
 サボは昔から世界各地でつくられ、それぞれの土地の風土やひとびとの暮らしとともに発展してきました。
とくに、サボの特徴でもある木製の厚みがある靴底は、オランダ、ベルギーなど水位よりも低い土地が多い地方で履かれてきたという歴史とも関係しているといわれます。
 今でこそ、左右の足のかたちにあわせてつくられているサボがほとんどですが、つくられはじめた当初はまったく左右の差がなく、履き込むうちにアッパーの革が足のかたちに馴染んできてフィットしてくる仕様でした。さらに、たいていのひとの踵は外側から減ってゆくことから、しばらく履くと左右を入れ替えて履き続ける、そうすることで靴底の減りをバランスよく削りながら1足の靴を長く履いていたという話もあります。
 もともとは農民が多く履いていたといわれる労働者のワードローブであるサボは、今も製造業や飲食業などに携わる職人たちの足もとを支えており、職人気質の靴であるといえます。
 
 今回、その伝統と歴史のあるサボの仕様を受け継ぎながら、Bois vert川口シェフのコンセプトをもとに、オリジナルのサボを作製しました。
 特殊な撥水加工が施された革を用いたり、登山靴や安全靴などハードな現場で使われることで有名なVibram社のタンクソールをあわせたり、また靴の内側やインソール、手縫い糸など細部は赤で統一し、さらには左右で合計52個のロンドン鋲を打ち込んだりと、遊び心も満載。
 
 フランス料理の古典や伝統を守りつつ、自然豊かな青森の素材を組み合わせ、独自の感性で現代青森料理という個性を打ち出してゆく料理人川口シェフの想いがつまった1足になりました。
 
 
 


 
Bois vert  Kazunori Kawaguchi
1974年大阪府堺市生まれ。
フランス・ブルゴーニュ「ル・ベナトン」ブリュノー・モノワール氏に師事 / 勝どき「クラブNYX」・西麻布「クリニャンクール」で宮本雅彦氏に師事 / 「現代青森料理とワインの店ボワ・ヴェール」オーナーシェフとして、フランス料理の古典や伝統を守りつつ、自然豊かな青森の素材を組み合わせ、独自の感性で現代青森料理という個性を打ち出してゆく。地域特産品の開発や大手百貨店のフードプロデュース、料理講師としても幅広く活躍。
HP : http://www.bois-vert.jp